■Vol.30 「モノクローム」を演奏して


新年あけましておめでとうございます!
皆様のご健康とご多幸を、心よりお祈り申し上げます。

田川は広島から上京して、11回目の新年を迎えます。
打撃団に入って10年選手となりました。
これから、更に和太鼓の腕をあげるべく、精進しますので本年も引き続き応援をよろしくお願いいたします。
ちなみに昨年は、ずっと左手の強化をした年でした。
1年間、できるだけのことを左手で行った甲斐があったのか、ものすごく左手の感覚が右手に近くなりました。
この左手への意識、今年も引き続き強めていくつもりなのですが、何故こんな事をしているのかは理由があります。
とある楽曲を打撃団で演奏するにあたって、僕にとってはどうしても必要なスキルだからです。

その楽曲が、作曲家/故・石井眞木氏の太鼓の名曲「モノクローム」(1976)~日本太鼓群と銅鑼の為の~です。

音楽記号には、P(ピアノ)やPP(ピアニッシモ)という表記があります。
単純にPの数が増えると、どんどん音をソフトに、小さくしないといけなくなります。
そして「モノクローム」のイントロはPPPP(ピアニッシシシモ)から始まります。
PPP(ピアニッシシモ)が「極めて弱く」ですから、それより小さい音を出さなければなりません。

使用する和太鼓は、カンカンに締め上げた締太鼓を使います。
バチは先端が尖った、鉛筆のような形状のものを使用します。

2009年に、東京打撃団は初めて「モノクローム」に挑戦したのですが、今でもその緊張感は忘れられません。
その時、初めて舞台から逃げ出したくなりましたので・・・。
なにせ、イントロの音だしは僕が出すのですから、もう怖いったらありません。
物凄い繊細さが必要なので、手が震えたりしたら演奏が出来ないのです。
「モノクローム」を熟知している太鼓関係者が見ている中、無我夢中で演奏したのを覚えています。

”ッッッッッッッッ”とPPPPから始まり、締太鼓の音色を余すことなく演奏していきます。
締太鼓といえど、轟音のような強い音を出したり、複雑にリズムを絡ませたり、雨音のような音や、雫が落ちるような音を出したり。
たくさんの情景が巡っていく中、奏者はただひたすら決められた音を奏します。
そして銅鑼の音が鳴る中、最後は締太鼓と宮太鼓(打撃団では大平太鼓と大太鼓)を解き放たれたかのように渾身の力で打ち込みます。
ガンガンに打ち込むのは打撃団の得意分野ですが、終わりで皆がスパっ!と音を切らないとならない為、最後の最後まで気が抜けません。

そんな東京打撃団の演奏する「モノクローム」は、これからどんどん進化していくでしょう。
今年も、是非ともたくさんの方に聴いていただけるように、努めていきます!

ご期待下さい!

文╱田川智文  写真╱藤田真郷


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